ウルトラちゃんぽん研究室

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「ル・コルドン・ブルー」から世界へ! スターシェフの活躍をキャッチ

創立1895年以来、20ヶ国35校で展開する「ル・コルドン・ブルー」。フランス料理・菓子・パンなどのカリナリーアーツのディプロムコース、ホスピタリティマネージメントなどの高等教育プログラムも提供している。ここ日本では、東京と神戸にスクールがあり、日本語・英語・中国語クラスで多国籍の生徒が 国際基準のカリキュラムを学んでいる。卒業後は、フードビジネスでグローバルに活躍する人も多い。そこで、世界3都市で活躍中の4人の “卒業生” を直撃! 「ル・コルドン・ブルー」での経験やその後の展開について語っていただいた。







uan Arbelaez @ Paris
ホアン・アルベラーズさん
コロンビアから18歳で単身パリへ。フランスの人気番組「トップシェフ」出演でシェフ、そして経営者として躍進したホアンさん。最近ではミス・フランス(2011)として選出され、その後テレビのジャーナリストとして活躍中のローリー・チルマ(Laury Thilleman)とともに “ヘルシー” をテーマにしたレストラン「ヴィダ(Vida)」をパリ10区にオープン。SNSでも注目される話題店だ。
「このスクールは、世界的にもとても有名だったので、迷いなく選びました。シェフになるための知識やテクニック、研修先など、すべての道を開いてくれ、ほかでは得がたい出会いをつないでくれたのです」
「ル・コルドン・ブルー」パリ校の料理講座を首席で卒業。その後、「ピエール・ガニエール」や「ホテルフォーシーズンズ・ジョルジュサンク」のレストラン「ル・サンク」、「ブリストル」と名だたるレストランで著名なシェフを師事に経験を積む。そして2012年、人気料理番組「トップシェフ」への出演をきっかけに、大きな転換期を迎えた。
「TV出演は、素晴らしい経験でした。修業10年分に相当するほどの知見があると思います。番組出演を通じて出会ったシェフであり友人のデニー・アンボロワジ、ヨニ・サアダ、チボー・ソンバルディエ、タバタたちは、私にチャンスをくれたのです」
2013年に最初の店「プランツァ(Plantxa)」をオープンしたのも、そんなネットワークのおかげ。産地と季節にこだわった週ごとに変わる一皿一皿が話題を呼び、瞬く間にパリのフーディーたちを魅了した。2015年に “苦み” をコンセプトにしたビストロノミック・キュイジーヌを提供する「A Mere」を、2016年に1店舗目と同じコンセプトを親密な空間で表現した「マヤ(Maya)」、パンとワインを主役に据えた「ルヴァン(Levain)」、ギリシャの寺院をテーマにした「アヤ(Yaya)」の3つのレストランを次々とオープン。2017年には、5つ星ホテルにあるレストランもコンセプトからプロデュースを担当した。
「出会いが新しい企画へとつながるような、“人” にこだわった起業家でいたい。今まで多くのことを実現できたのは、支えてくれるチームがあったからこそ」
ホアンさんが作り出すのは、旬の食材へリスペクトを感じられ、色彩豊か、そして誰かとテーブルを囲んでシェアしたくなるような料理。
「私がもっとも大事にしていることは、料理のクオリティだけでなく、ゲストの記憶に刻まれるような思い出を作ること。だから子どもの頃の思い出や旅から、多くのインスピレーションを受けています。子どもの頃に浜辺で生魚を食べた記憶が、常に鮮度の良い魚を料理に使うことにつながっているように。私にとって、ここまで愛情を注げる仕事はほかにないと思っています」
2018年6月末にヘルシー料理をコンセプトにした新店「ヴィダ(Vida)」を告知もなくひっそりと開店し、すでにメディアやSNSを通してフーディ―たちから熱い視線を集めたホアンだが、9月には、さらにパリ19区に「ヤヤ(Yaya)」の2号店をオープン予定だとか。
「シェフの仕事は、人生そのものであり、パッションとエネルギーです。そして経営は、新しいチャレンジを毎日生み出すこと。極限への探求を続けることと、自分の料理をアピールできる手段でもあります。愛情を注ぎ続け、それをシェアする、大切なものを掴んだら決して離さない。その先には、躍動感のある手品のような楽しみが待っているのです」
毎朝、やる気に満ちあふれた気持ちで目覚める、というホアンさん。若干29歳にして、偉業を成し遂げ、フード業界に新風を巻き起こし続けるその原動力は、とどまることを知らない。