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「フレンチの神様」ロブションさんを追悼 出演映画9・22日本公開

 「フレンチの神様」と20世紀最高の料理人として賞賛され、日本でも「ジョエル・ロブション」の名前を冠した店舗を次々とプロデュースしてきた、フランス人シェフ、ジョエル・ロブションさんが6日、亡くなった。73歳だった。




 1945年、フランス西部のポワティエ市に生まれ、15歳で料理の道に入り、各所で研鑽(さん)を積み、31歳でM.O.F.(フランス国家最優秀職人章)を獲得。36歳でパリ16区に自身の店「ジャマン」をオープンし、わずか3年、史上最短でフランスのレストランのガイドブック『ミシュランガイド』の3つ星を獲得した。以降、世界各地にフランス料理の店舗を展開し、3つ星を含め、獲得した星が最も多い料理人の1人と言われる。


 とりわけ日本との関係は深く、94年に東京・恵比寿にシャトーレストラン、2003年に六本木に新しい試みとして、カウンタースタイルのフレンチレストランの1号店をオープン。レストラン・カフェ・パティスリー・ブランジュリーと全9店舗を展開し、同ブランド中、世界で最大の事業規模に育て上げた。


 そんなロブションさんが、生前、カメラの前でインタビューを受ける様子を収めた映画『世界が愛した料理人』(16年)が9月22日より東京・恵比寿のYEBISU GARDEN CINEMAほか全国で順次公開される。映画は、スペインのミシュラン料理人エネコ・アチャが究極の食を求めて日本の名店を巡る美食ドキュメンタリー。ロブションさんなど、世界的な料理人にもインタビューし、創作の秘密もひも解きながら、目指すべき究極の料理の姿を見出していく。


 ロブションさんは日本食を好み、数多くの日本料理店を訪れていた。米国のオバマ前大統領が訪ねたことでも有名な寿司屋「すきやばし次郎」もその1つで、劇中では「すきやばし次郎」の店主・小野二郎氏とのエピソードを語っている。さらに、ロブションさんはこう言う。「私は食材に愛情と敬意を持っています。料理にもそれが表れているはず」と。世界中に「食」を通して幸せを与え続けたロブションさんの料理への思い、創作の秘けつも垣間見ることができる。